最低限の神棚の祀り方

先日読者から神棚の祀り方が分からないので教えて欲しいというリクエストがありましたので今回は最低限の神棚の祀り方を書いてみます。
私は神職ではありませんが守護神に天香山之命様がいますので伺ってみました。
日本の住宅は狭くてなかなか理想的に神棚を祀ることは現実的に不可能です。
(神様に使えている身の私でも全ては無理なので妥協しています)
一応理想的な神棚の設置条件を書きます。
一戸建てで広いお宅ならお勧めです。

(1)北を背にして南向きに設置または西を背にして東向きに設置
(2)住んで居る人間の頭より高い位置に設置
(3)トイレを背にしたり人が歩くドアの上には設置しない
(4)御札は天照大御神様の御札を中心に祀り右に氏神様の御札左にその他の神様の御札を祀る。
必ず毎年新しい御札に交換する。
(5)神棚は三社創りのものを設置
(6)神棚を吊るす棚の上部に麻のしめ縄を設置
(7)榊は生で対に新鮮な物を飾る
(8)米を中心に左に水を右に粗塩を供える(水は毎日交換米と粗塩は1日と15日に交換)
(9)瓶子に清酒を入れて対に供える
(10)神棚の中心に神鏡を設置
(11)神様は光るものを好むので神棚灯篭を設置(電球やLEDでもよい)
(12)地域の氏神様のいる神社の神主を呼んで祝詞を上げて祈願してもらい神棚に分祀してもらう
(13)神棚の上に人が歩く二階や集合住宅に住んでいて上の階があり人が歩いている場合は「雲」の文字を筆書きして神棚の上に貼る
いかがでしょうか?
この13の条件を全て克服して設置出来るような環境にいる方は少ないのではないでしょうか?
そこで最低限必要な神棚の祀り方をご案内します。
(1)神棚の種類
「しんとうはもともとやまがごしんたいかたちがぎらずかみをうやまえ」
理想は先に書いた通り三社創りの大きな神棚が理想ですがスペースに合わせた神棚を購入して御札を祀ります。

最低限1枚の御札だけを収めるタイプでもいいようです。
ダメなのは御札だけをただ並べただけとか壁に張ったりする事です。
かえって神様に失礼になります。
なお神道では神棚の立派さよりも素朴でも毎日手入れをしてきちんと礼拝したほうが神様に願いは通じます。
(2)御札について
「あたらしきとしのはじめにしんせんなおふだまつりてかみはよろこぶ」
天照大照神の御札、地元の氏神となる神社の御札、その他の神社の御札の三社を祀るスペースや入手が難しい場合は最低限地元の氏神様の御札を祀りましょう。
氏神様の御札は自分が住んでいる住まいの一番近所にある大きな神社がお勧めです。
御札を授かる時期は初詣のタイミングがお勧めです。
古い御札は神社に持参してお正月の三が日に前年の御札をお焚き上げしてもらいましょう。
(3)神鏡
「かがみなきかみだななどはかたちだけねがってみてもかみにつうじず」

神鏡のない神棚は魂の無い人間のようなものです。
神鏡は神棚に神が降臨する際に目標となる大事な物です。
最近はホームセンターやネット販売でも手ごろな神鏡が販売されていますので必ず設置しましょう。
(4)お供えについて
「ひといきるたいじなものをかみだなにささげてかみにかんしゃするべし」
お供えは元々無事に農産物を収穫した際に神様へ真っ先に捧げて感謝の気持ちを表した風習の名残です。
水も人が生きて行く為に大変必要なものなので水玉に毎日新鮮な水を捧げます。
捧げる水は井戸水かミネラルウォーターまたは浄水した水がいいです。
神棚に限りませんが毒物である塩素を含んだ水を神棚に捧げるのは逆効果になりますので注意しましょう。
お供え物は農家の方でなくても食べ物に恵まれ生きていける事に感謝する為に米を中心に水を左、粗塩を右に捧げます。
お供えを置く台は三宝か八足台を用意して「かわらけ」という白い陶器の皿に盛って捧げるといいでしょう。
お神酒も捧げますが神棚が不浄にならないように清める効果があるようです。
瓶子に日本酒を満たし二本を対にして捧げます。

お神酒に高い清酒は必要ありませんが安い日本酒はアルコールで薄めていますので出来れば純米酒以上の日本酒を捧げましょう。
お供え物とお神酒は基本的に1日、15日で交換します。
廃棄するお供えとお神酒はゴミ箱や排水溝に流したりせずに庭や土のあるプランターでもいいので自然に還します。
最近は水玉、瓶子、かわらけのセットも販売されています。
またサイズも二寸からありますので狭いスペースでも設置可能です。
なお水玉、瓶子は朝の礼拝で蓋を開け夕方の感謝の礼拝で蓋を閉じます。
(5)榊
「かみだなにさかきそなえてもりとなしせいきをたくわえかみはおちつく」

榊は必ず生の榊を捧げます。
人口の榊は意味がありませんのでお使いの方は今すぐ撤去しましょう。
榊は神社のご神木や鎮守の森と同じく神棚に自然の生気を保ち神が降臨しやすくする役割があるのでとても大切です。
面倒でも定期的に交換しましょう。
榊は1日、15日ではなく枯れてきたらすぐに交換します。
(6)一戸建てで二階があるまたは集合住宅で上の階がある場合で神棚の上に人が歩いている場合「雲」の文字を書いて天井に貼る
「ひとあるくしたにかみなどあがめるなてんにくもはりかみをあがめよ」
神棚を販売している店では無料で配布していたり売っていたりしますが立派な字でなくてもいいので「雲」の字を半紙に書いて天井に貼ります。
印刷物より家主が直筆で書いた方が神様に敬意が伝わり喜ぶようです。

以上6つの項目が最低限の神棚の祀り方です。
年末のうちに神棚の設置を見直し毎日礼拝して気持ちよく新年を迎えましょう。